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退屈なるままに [日記]

あれ、違った。徒々なるままにだった。
またまた1ヶ月以上もブログ書くの忘れてしまった。あまりにも刺激のない毎日で書くことも特になければ、事件といったものもない毎日だ。そんなある日近くのカフェに坐ってコーヒーを飲んでいたら、目の前にグオーンという轟音とともに素晴らしくきれいでカッコいいオートバイを乗り付けたお兄ちゃんがいた。タンクのマークを見ると何とMVアグスタではないか。アグスタが生まれ変わって超近代的なマシンを作っているとは聞いていたが、それを目の前で見られるとは思っていなかった。マレー人のそのお兄ちゃんに「これいくらぐらいするの?」って聞いたら、日本円にして500万円ぐらいだって。なんとまぁ。マレーシアでこんな高級バイクに乗るには余程のお金持ちでないとだめらしい。
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しかし、昔のグランプリで勝ちまくったあの美しいアグスタの面影は全くなくなってしまった。これはこれで美しく精悍ではあるけれど、ホンダやスズキやヤマハなどと変わらないではないか。ある意味ガッカリだ。

そんな感慨にふけりながらコーヒーを飲んでいて、昔の我がオートバイ遍歴を思い出した。思えば若い頃、といっても50才を過ぎてからなのだが、急にオートバイのことが気になり出した時代があった。
そんな折り旧友の生沢徹君のうちに遊びに行ったとき、ガレージの隅っこにカバーをかぶったオートバイらしいものが見えたので、そっとカバーを外して見ると、そこには真っ赤なタンクのピカピカに磨かれたホンダCB400がうずくまっていた。当時のオートバイとしては珍しいマルチエンジン(4気筒)を横置きにしたそのエンジンから横に向かってピカピカに光る4本のエキゾーストパイプを見た瞬間、「これだっ、俺の探していたものは」と胸がドキッとしたのを今でもよく憶えている。
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その横置きエンジンから突き出した4本のピカピカ光るエキゾーストは、その形から当時スパゲッティパイプと呼ばれて親しまれていた。それに魅せられて直ぐにそのホンダCB400を探し始めた。当時既にこのCB400は生産を終わっていたので、中古を探すしかない。上野の中古オートバイ街を探し回ったがなかなかいいのが見つからない。池上あたりの中古屋でやっと気に入った赤いタンクのCB400が見つかり、当時は珍しくもホンダ7ハンに乗っていた勇ましい女性の友達に付き添ってもらって、やっと手に入れることができたのである。
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ところがである。この憧れのホンダCB400にいざ乗って箱根を目指してツーリングに出かけたのはいいのだが、何だか物足りないのである。「何なんだろうこれは」と思いながら、それでも1日中乗り回して帰ってきた。このスムーズなエンジンの、赤いタンンクの、キラキラ光るカッコいいエキパイのバイクにのっていながら、何で何か物足りない感じを受けてしまうんだろうと考えて、ふとうんと昔大阪にいる頃に親の目を盗んで乗っていたメグロのオートバイのことを思い出した。当時のオートバイは大抵黒く塗られていて、大型で重く、取り回しも楽ではなかったが、ドドドッという手応えのある腹の底に響くような音と振動に心が浮き立つような思いをしたものだ。それが近代的なマルチエンジンのホンダにはなかったのである。こんなはずではないと思いつつ過ごしていたある日、赤坂の福田モーターの前を通りかかったとき、ショウウインドウに飾られていた真っ赤なオートバイに目を奪われた。なんと美しいスタイルのバイクなんだろうと、吸い寄せられるように店に入って行き、よく見るとそれは音に聞こえたイタリアはモトグッチのバイクではないか。しかもサイズがチビの俺にはちょうどいい35IMOLAというモデルだという。350CCなら中型バイクの範疇に入るわけだし、車重も軽くて取り回しもよさそうというので、その場で発注してしまった。家に帰ってよく調べてみると、デザインが美しいわけだ、なんとそのデザインは当時車のデザインでは世界で最も売れっ子だったイタリアのジウジアーロの手になるものだったのである。それを知ってさらにそのバイクが気に入り、1週間後に納車されるや、直ぐにまたもや箱根に乗り出した。もうそのIMOLAのサウンドと振動、低く構えたライディングポーズといい、ヤッホーと叫びたくなるような気持ちの良さ。夜暗くなるまで乗り回したものだ。
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この35IMOLAに乗り始めて1年ぐらい経ったころだろうか、このIMOLAのボディに一回り大きい500CCのエンジンを積んだ50MONZAというニューフェースが現れた。500CCならさぞ手応えも凄かろうと思いIMOLAを下取りにこのMONZAに乗り換えた。確かに力強いトルクを感じさせるエンジンではあったが、IMOLAに初めて乗ったときのような感激はなかった。
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スタイルが全く同じというところから、あまり新鮮味を感じなかったのであろう。このMONZAにはその後2年ほど乗ったところで、何かもっと心を躍らせる凄いのが欲しくなってきた。

そんな折りに中年ライダー仲間の1人が持っていて、かねがねあんなバイクが手に入ったらなぁと思っていたイタリアの大型バイクのドカティ900SSというクラシックバイクを売ってもいいという。矢も盾もたまらずそれを手に入れた。チビの俺にはちょっと無理かなとは分かっていたのだが、そのあまりの魅力に抵抗できすに手に入れたわけだが、そのガソリンタンクが前後に長いので、アクセルとクラッチに手を伸ばすと体が完全にうずくまってしまって、まるでレーサーのようになってしまう。格好はいいのだが、これでは長時間のライディングは疲れてしまう。ツーリングの時などは左の肘をタンクについて体重を支えて、右手でアクセルを操作するという危なっかしい姿勢で乗っていたものだ。
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しかしこのDUCATI900SSは素晴らしい直進性を持っていた。箱根への東名高速の直進でいざアクセルを一杯に開けるとそれこそ矢のように速度を上げていき、190キロぐらいで恐ろしくなってアクセルをゆるめる。200キロは出そうだが、もし小石なんかが道路に落ちていて踏んづけたら一気にすっ飛んでしまうだろう。こんな馬鹿なことは1度で沢山とその後はやっていない。
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色は違うがこれと同じタンクだし、ハンドルが極端に低いのでチビの俺には負担が大きい。それでもこのタンクのデザインこそが900SSの最大の特徴でもあるので、我慢して乗るのである。

我がバイク人生はこのDUCATI900SSで終わる。10年程前、65才になったのを潮に大型バイクはもう無理かなと諦めて手放すことにした。かねてからの知り合いだったDUCATI専門店の中野社長に頼んで引き取ってもらうことにした。彼に見せると状態はいいようだがエンジンの中身はどうかといってコンプレッサーで圧力を計ると、ちょっとコンプレッションが落ちているので、ボーリングが必要だという。そんなこんなでかなり値切られたが、何しろ相手は専門家だからしょうがない。言い値で引き取ってもらうことにした。トラックに載せられて去って行く愛車を見ているとすごく寂しかった。

あれから10年か。俺もずい分年をとったものだ。もう念願だったハーレイにも乗れないかな?
日本に帰ったらあの法規の厳しい世界では尚さら乗るのは難しいだろうな。あーぁ。



 

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 熊谷 元宏

バイク、お好きだっんですか?
僕はヤマハSRが好きです。
セブでは見かけません。
日本から中古を取る寄せようとも考えてますが、77歳では無理かも!!
こちらは外人がハーレーで闊歩してます。
是非、日本にお帰りの前にセブにお立寄りください。
僕のブログ・・・セブの黄門様
F.BOOK・・・Hero Kumagai
覗いてみてください。
今後とも宜しく!!
by 熊谷 元宏 (2013-12-22 11:06) 

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